2016年夏期リオ五輪。マスコットキャラクター「ヴィニシウス」。パラリンピックキャラクター「トム」。『作詞:ヴィニシウス・モライス』『作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン=通称トム・ジョビン』。ボサノバの名曲『イパネマの娘』はこの2人によるもので、モライスがジョビンと出会ったのは、自作の戯曲を準備している時でした。
その戯曲とは『オルフェウ・ダ・コンセイサォン(祝福のオルフェウス)』(1954年)というもので、有名なギリシャ神話「オルフェとユリディスの悲劇」をカーニバルで盛り上がるリオの貧しい黒人たちが住む丘を舞台に描きました。主人公オルフェは神話では、竪琴を弾くのですが、南米らしくここではアコースティックギターを弾きます。その戯曲が映画『黒いオルフェ(1959年)』(監督 マルセル・カミュ、 フランス・ブラジル・イタリアの合作映画)の原案になり、その主題歌(ルイス・ボンファ作曲)に『カーニバルの朝』(Manha
de Carnaval)とタイトルが付けられました。なおこの映画は1959年カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞しています。劇中のサウンドトラックは、アントニオ・カルロスジョビンとルイス・ボンファが担当しています。「ボサノバ映画」と言っても良いかも知れません。この曲以外にも、Felicidade(フェリシダージ(悲しみよ、さようなら))も冒頭で出てきます。