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「ジャズを聴く」Mercy,Mercy,Mercy  Joe Zawinul作曲(1966年)

【60s  ロックが来た!】

 

 1964年、ビートルズやローリングストーンズがビルボードHot100のチャートに入るなど、ロックミュージックがアメリカで大流行しました。ビートルズは、同年2/9,16,23に、当時の人気テレビ番組「エド・サリバン・ショー」にも出演し、初回の視聴率は72%という驚異的数字をたたき出しました。2/12にはクラシックの殿堂カーネギーホールでも演奏し(ジャズ界では1938年にベニーグッドマンが初演)、日本にも66年6/29に初来日しています。
 60年代のジャズは無調化(調性の無い音楽)やフリージャズといった難解でマニアックな方向に行き過ぎた為にポピュラリティーを失いつつありました。加えて当時有力なジャズミュージシャンを失ったり、大きな方向転換をするミュージシャンが現れるなど、ジャズ界は混迷を極めました。

 

関連する主な出来事

64年 エリック・ドルフィー 永眠

67年 ジョン・コルトレーン 永眠

67年 ブルーノートレコード創立者、アルフレッド・ライオン引退

68年 マイルス・ディヴィス、エレクトリック化

70年 アルバート・アイラー 永眠

【キャノンボール・アダレイ(As)のアルバム】Mercy, Mercy, Mercy! Live at 'The Club’(Capitolレコード)

 

  マイルス・デイビスのバンドでKind Of Blueなどのアルバムにも参加していたアルト奏者キャノンボール・アダレイ(1928-1975)が1966年10月に録音したアルバム。当時大流行していたロックやリズム&ブルースのリズムと電気楽器(エレクトリックピアノ)を使ったファンキーなアルバム。タイトルの通りライブアルバムなのですが、、、、、、、
 オリジナルレコードによると録音場所がシカゴのClub DeLisaと記録されていますが、実際はロスアンゼルスにあるCapitolレコードのスタジオをバーのようにして、客を無料招待し録音した、創作、演出されたライブ版だそうです。これには訳があり、キャノンボール・アダレイとClub DeLisaのマネージャーが友達で、新装開店時に「俺がタダで宣伝してやるよ」といった忖度があったようで、客で一杯の店内の雰囲気が醸し出され、実際にレコード購入者が数多くそのクラブを訪れたと言います。このアルバムがビルボードのチャートで最高11位、またグラミー賞を1967年に受賞するなど、ジャズアルバムの中では快挙だったのです。
 作曲はキーボードのジョー・ザビヌル。70年代にはフュージョングループ「ウェザーリポート」を率いる事になります。

【Cannonball Adderley Quintet  「Mercy,Mercy,Mercy Live at the Club」1966】

Youtubeでは冒頭部分のMCがカットされていますが、実際のアルバム版にはメンバー紹介などが収録されています。

【The Buckinghams 1967】同じCapitolレコード

歌詞(日本語訳田丸)

 

My baby, she made out of love,

俺の彼女には愛が無い


Like one of those bunnies out of a playboy club,

PLAYBOYのうさぎちゃんみたいにね


But she's got somethin' that's greater than gold,

でも彼女は金より価値のあるものを持っているんだ

 

Crazy 'bout that girl, 'cause she got so much soul!   

あいつに夢中だ、魂が溢れているぜ


I said she got the kind o' lovin', kissin' and a-huggin'

彼女にも愛とかキスとかハグとかはある

 

Sure is mellow, glad that I'm her fellow, and I know  

彼女は確かに優しい


That she knocks me off my feet, have mercy on me!  

彼女にくびったけだ  慈悲を!


'Cause she knocks me off my feet!         

彼女にくびったけだ


There is no girl in the whole world     

世界中に探したって見つからない


That can love love me like you do!    

君のように僕を愛してくれる女なんて!

【Maceo Parker  「southern exposure」 1993】

メイシオ・パーカー(1943-現在)64年にジェームス・ブラウンのバンドに参加。このアルバムはニューオリンズファンク(セカンドライン)のスタイル。

【Stanley Clarke, Biréli Lagrène & Jean-Luc Ponty「D-Stringz」2015】
アコースティックなセッション。ジャン=リュック・ポンティ(Vn)、ビレリ・ラグレーン(Gt)、スタンリー・クラーク(B)

【原信夫とシャープス・アンド・フラッツ「forest flower / sharps and flats ’68」1968】日本での最初の商用録音によるカバーバージョン。LPレコード、Youtubeなし。

【BWB「Groovin’」2002】
2002年USジャズチャートno1アルバム。スムースジャズ、フュージョン界のスーパースター3人によるプロジェクト。


ギター:ノーマン・ブラウン
サックス:カーク・ウェイラム
トランペット:リック・ブラウン

※この記事は、東海大学地域連携センター主催『ジャズを聴く』講座で使用したものを、WEB用にアレンジしたものです。田丸智也

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